睡眠時無呼吸症候群のセルフケア

睡眠時無呼吸症候群のセルフケア

原因・症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)はどんな病気?

原因・症状

原因

それでは、SASはどのようにして起こるのでしょうか?いびきは上気道の空気の通り道が狭くなることで起こりますが、SASもこれと似たメカニズムです。
気道を狭くさせる要因には、次のようなものもあります。

  • 肥満による首部分の脂肪の増加
  • 首が太くて短い人
  • 舌の付け根や軟口蓋(鼻と喉の境の部分)の気道への落ち込み
  • 小顎症(顎が小さい)、顎の後退
  • 扁桃肥大
  • 鼻の構造的な問題(鼻すじの彎曲、鼻が低い)

のどの閉塞

これまでは、「SAS=肥満の人がなるもの」と考えられてきましたが、最近では肥満でなくてもSASになることがわかっています。これには日本人特有の顔、特に顎の形が関係していると言われています。

症状

SASの患者さんは睡眠中に身体に十分な酸素が行き渡らない、という話に触れましたが、その血中酸素飽和度を測定してみると、重症患者さんの場合は通常の50%台の飽和度しかないことがあります。これは、エベレストの頂上に立ったときの血中酸素飽和度とほぼ同等です。重症なSAS患者さんの場合は、睡眠中に何度もこの状態に陥っている、ということになるのです。
SASは心身に影響を及ぼしますが、ただの疲れだと思ってしまう人が少なくありません。ここではSASでよくみられる症状をいくつかご紹介します。チェックしてみてください。

大きないびき

空気の通り道である上気道が狭くなると、入ってきた空気の抵抗が強まります。その力で気道の狭い部分の粘膜が振動したり、摩擦が起きたりします。それがいびきの原因です。SASではいびきを伴うことが多く、特に無呼吸から呼吸が再開するときに大きないびきが起こります。

日中傾眠・熟睡感がない

正常な方に比べて、深い睡眠がとりにくくなります。脳にも十分な酸素が供給されていないので、寝ているつもりでも実は脳が起きている状態になっています。そのため、熟睡感が得られず、昼間の眠気につながります。

起床時の頭痛

睡眠時間が極端に少なかったときなどに、頭が痛んだ経験のある方は多いと思います。これは脳を十分に休ませられなかったことが原因です。無呼吸でもこれと同じ影響が見られます。それが起床時の頭痛の原因です。

集中力や記憶力の低下

睡眠は頭と身体を休める、身体にとって大変重要な時間です。頭と身体をバランスよくしっかり休めることができないと、日中の集中力や作業効率の低下につながります。

夜間のトイレの回数が増える

通常、寝ているときは副交感神経が優位になっていますが、無呼吸状態を繰り返し脳が起きている状態だと、交感神経が優位になっています。交感神経が興奮していると、体では尿が作られます。そのため、夜間でもトイレに行く回数が増えるわけです。

インポテンツ

ED(Erectile Dysfunction:勃起不全)もまた、SASと関連のある疾患です。睡眠中の無呼吸により脳が起きている状態(覚醒反応)や、レム睡眠の不足がEDの原因になると言われています。SAS患者さんの1/4がEDを伴っていた、というデータも欧米で報告されています。

SASの危険性へ